アナログテレビを国が買い取り?テレビとネットの話。
さて、今朝の日経に載っていましたが、地デジ放送への移行を進めるため、公明党がアナログテレビを1台あたり2万円で国が買い取るという案を与党作業部会に提出したようです。
さらに地デジ対応テレビやチューナーを購入した全ての世帯に一律2万円を配布する案も検討されているとのこと。
私はほとんどテレビを見ないため、部屋のテレビもテレビ線がつながっていないので番組は何も映らず、専らDVD映画再生用と化しています。もちろん最近の薄型テレビなんかではなく、ものすごい古いブラウン管で、テレビ番組が見たい時は居間にわざわざ下りていって見ています。
これでも昔は「ザ・テレビジョン」を毎週買うほどのテレビっ子で、もう家にいるときはほとんどテレビばかり見ていました。
テレビを見る時間が明らかに減りはじめたのはちょうど10年前くらいだったと思います。ネットが広く普及し始めた頃です。まだナローバンドな時代でした。
ネットの情報量とその利便性にかなり衝撃を受けたのと、何より面白かったこと、またその頃いろいろと読んでいた本を中で、「テレビはあなたを怠惰な人間にする」的なよくあるフレーズを繰り返し頭に入れたせいか、意識的にテレビから遠ざかると同時に、無意識にテレビの変わりにネットをする時間が増えました。私の中でテレビがネットにタイムシェアを奪われたということです。
テレビはテレビ局が作る番組(情報)を受動的に取得するのに対し、ネットは「検索」すること、あるいは自分の興味あるサイトを閲覧することによって自ら積極的に情報にアクセスします。
そういう能動性という点から見ると、情報を効率よく処理し知識として脳に定着させるには、おそらく受動的よりも能動的に動いたほういいような気がします。
テレビはほんのわずかしか存在しないテレビ局で働く人たちが作った、言わばかなりバイアスのかかった情報群なのに対し、ネットはネット上に星の数ほどいる人たちの発信する情報を取捨選択することができるため、情報的偏りはテレビよりも少なくなります。
放送された情報だけしか享受できないのに対し、ネットは検索すればするほど多くの情報を取得することができます。
おそらく上記のような理由で意識的あるいは無意識的に、私の中でテレビがネットにタイムシェアを奪われていったのですが、テレビとネットを比較(まぁ別物なので比較するものじゃないだろと言われるかもしれませんが、あくまでもタイムシェア上どちらを多くとるかとした場合です)したとき、私が少し懸念するのは、ネットは「検索」によって自ら興味のある情報を深く追求できるという優位性の対価として、興味の無い(興味があるかもしれないが自分ではまだ気付いていない)情報に関しては取得する機会が非常に少なくなるということです。
逆にテレビは全く興味がないことも発信し続けていますから、ダラダラと見ていれば勝手に興味の無いことも目の中に入ってきます。
もちろん今のWebサービスでは、サジェスト機能(型)といって、自分では探していないものもコンピューターが勝手に推薦や提案をしてくれる機能がありますが、それも大体がそのユーザーの検索履歴や閲覧履歴を分析してそれに合ったものをサジェストしてくれるものがほとんどなので、どうしても自分の取得する情報の範囲というものはある程度決まってきてしまうわけです。
ではどちらがいいのかと言われると、まぁそれは人それぞれだとは思いますが、多少守備範囲は狭くなるかもしれないけれども、私はネットのほうが自分に向いているような気がします。
ネットの場合、テレビに比べて自分で情報を取捨選択可能なことで時間を効率よく使うことができるため、目にする情報の絶対量が圧倒的にテレビよりも多いので、先に述べた私の懸念をカバーすらできるのではないかと思うからです。
日々の情報は、もう今では多くの人が使っていますが、私もRSSリーダーを使って取得しています。ちなみに、Google Reader を使っています。
簡単に説明すると自分の興味のあるサイトやブログの更新情報をまとめて読むことができるツールです。更新されたら自動的に通知されるためリアルタイムで情報を得ることができます。
私が登録しているサイト数はそれほど多くないですが、記事数にすると毎日2千くらいですかね・・そのくらいの記事が更新されます。それをヘッドラインだけ斜め読みして詳しく知りたいものだけちゃんと本文を読みます。
私がインターネットを始めて間もない頃に、それよりもずっと前からインターネットをしていた知り合いがいて、ものすごく物知りでした。同じくらいしか生きていないのに絶対的な知識量が違うと感じました。彼は「ほとんどのことはインターネットでのってるから」みたいなことをいつも言っていました。
今ではもう当たり前のことですが、その時はなんか同年代の彼にすごく先を行かれているような気がして自分が相当な情報弱者(今でこそよく使われる単語ですがもちろん当時はそんな言葉はないので、そういう気持ちに思ったということです)のような気がしました。
最近は情報過多な時代だといわれます。情報に踊らされています。RSSリーダーなんかを使って毎日結構な量の情報を目にしている私なんかまさにその踊らされている人でしょう。実際、旅行などで1週間以上ネットをしないことがあるとき、帰ってきてからRSSリーダーにたまった未読の記事が数万件になっていたときは少し浦島太郎になった気もするくらいです。たった1週間程度なのに。半ば情報依存症といってもいいかもしれません。
高城剛氏(沢尻エリカの旦那として今ではかなり有名になりましたね。嫁が沢尻エリカなのは置いておいて、私は彼の世界を見る視点やスタンス、ライフスタイルが先進的だと思うので結構好きです)は、ネット黎明期くらいからそういったIT系(もはや若干死語か)の分野(とういかどちらかというと芸術的なメディア分野)で第一線で活躍してきた人ですが、そういうずっとネット(情報)の渦の中で生活してきた人が昨年出した本の中で、「今ではメールを受信する日を週に2回(たしか)と決めている。ネットもあまりやらなくなった」と書いていました。
そうすることで格段に仕事と生活が充実してきたらしいのです(もちろんそれだけの理由ではないでしょうが)。
オンラインになれば情報過多の可能性。オフラインなら情報弱者。仮に二元論的にどちらがいいかとした場合、それはわかりませんが、私はまだ30歳だし、情報をとらない環境に身を置くのは怖いので情報過多のほうをしばらくとるつもりです。できるだけ情報を得るようにはしてますが、私は全く情報強者なんかではなく、逆にどうも非効率な情報の取り方をしていて、ただ単にあふれる情報の中にいて、それらを整理してきちんと消化することが出来ていないのような気がするので、もう少し工夫する必要があると思う今日この頃です。取捨選択の「捨」をもっとうまくやれないかと常々思います。
普段はパソコンという小さいハコから得る情報だけで相当偏っていると思うので、自分の足と目でいろんなものを実際に見ることも忘れないようにしなければなりません。
高城剛氏がネットから少し距離を置いたのは情報弱者になることを受け入れたわけではなく、彼は日頃より世界各地を飛び回っていて、自分の目で事象を確かめ、彼の広いネットワークを用いることによって、有識者から生きた声(情報)を聞ける立場にいるため、ネット上にあふれる情報を少し捨てて、そちらを選択することにしたに過ぎないように思いますし。
というわけで、それこそテレビのようにダラダラ書いてしまいましたが、アナログテレビの買い取りの話。
テレビほとんど見ませんが、やはりスポーツや映画なんかは大画面のいいテレビで見たいので、この案を聞いて少し嬉しい反面、また税金の無駄遣いじゃないかと思わずにはいられないのも事実。
定額給付金案も公明党発だったような・・・今の国会の状態からいって結構通りそうな気配もあるしどうなるのでしょうか。
これ通ったら、もっとテレビ売れるかもよP助!
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