Marの記事

仲間とはかけがえのない財産である。私はこの日、一人一人が探偵物語に出てくる仲間想いの工藤ちゃんに見えた。



ご無沙汰しております、Marです。


ブログでご報告するのは初めてですが、わたくししばらく前に結婚いたしました。


いやしくも結婚式余興集団「海綿隊」に所属する身である以上、「結婚式場で盛大に披露宴をしないのか!」とのお声も各方面より多数いただきましたが、昔から大勢の前で主役をやるのはどうも性に合わず、これでも苦手にしておるのです。

幼稚園時代のサンバルカンごっこでも、イーグルではなく率先してシャーク役を希望していましたし、小学校の運動会でもだいたいいつも4番手くらいで入賞すら逃すことが多く、いま絶賛放送中の大河ドラマ「龍馬伝」でも主役の福山雅治さんもいいですが、どちらかと言うと香川照之さんや渡辺いっけいさんや田中泯さんのほうが好きなほうなので、自分の結婚式も大きな披露宴はせず、ほんとに親と兄弟のみが出席する静かな式だけこっそり挙げさせていただきました。


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それで、Yeah! Yeah! Crewをはじめとした有田の友達たちには、「落ち着いたらちょっとした披露パーティーをやろうと思ってるんで」と、言ってはいたものの、生来の怠け者である私はなかなか重い腰をあげようとせず、それに業を煮やしたか煮やしてないかはわかりませんが、なんとこの多忙な中、Y!Y!Cの有志たちが主催して私たちのために披露パーティーを開いてくれました。




とりあえず日時と場所(mooks ムック)とだけ聞いていて、あとは全く内容を聞かされていなかったので数日前にYu-kiに電話したときに「ちなみに何人くらい来ると?」と聞いたら、「まぁいつもの飲み会メンバーで10人くらいで軽くやるだけやけん、カジュアルな感じでいいよ」的なことを言ってたので、ほんとにそれを真に受けて、気が緩んで遅刻して行った(これは本当に心底反省しております。申し訳ございませんでした)ら、なんと!


お店:mooks(ムック) は全部貸し切ってあって、たくさんの仲間が集まってくれているではないですか!しかも顔ぶれの中には福岡や佐賀市のもっと先に住んでる友達もわざわざ。


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いやー、参りました。ムック貸し切りでいろいろデコレーションもしてあって、こんなにたくさんの仲間が集まってくれてるとは。なんか感謝と驚きと緊張と恐縮とがごちゃまぜになって、「ありがとう」とか「参ったなー」とか「いやー」とか「すいません」とかしか言葉が出てこないまんま、拍手の中をこれも事前に準備してくれていた、メンデルスゾーンの「結婚行進曲」にのって主賓の席へ。



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お祝いにと、mooksムックの岡田さんからいただいた(ありがとうございます!)シャンパンで乾杯しパーティーはスタート!司会進行はケロロ扮する「ミヤレモン」(手作り)。乾杯の御発声はご存知 Yu-ki。



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わたくしたち新郎新婦用に、お花屋さんのTomoさんとK子ちゃんが手作りのブートニアとブーケを作ってくれていました。
TomoさんもK子ちゃんも仕事で遅れて到着ということなので、代わりにharishiからブーケの贈呈。(この贈呈者、人選ミスじゃねー?笑との声)




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この日のBGMは、Yu-kiがこのパーティーのために選曲してくれたあたくし好みのセットリスト。あたくしが聴いている音楽リソースは、大半が定期的にYu-kiから仕入れているものです。なのでYu-kiにはわたくしの音の好みは完全に熟知されていまして、これにはApple社の技術の結晶iTunesのGenius機能も歯が立ちません。



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こんな感じでパーティーは進んでいきます。

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途中、今日の会のために祝電が届いているので読み上げるとのこと。え?祝電まで。誰からなのだろう。。



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ずっと置いてあった超ドでかいダンボール箱。あれって一体なんだろうとずっと思っていたら「こぱん」のYukariからの祝電。中から何が飛び出すのかと思ったら、超ドでかいモンキーバルーンが!!「すげー!」「かわいいー」「でか!」ってなっている中、Shinちゃんが読み上げた祝電の文は


「結婚おめでとうございます。Yukariより」


まさに、ベスト・オブ・「シンプル・イズ・ザ・ベスト」みたいな祝電でした。なんと男前な文。Yukariらしい。ありがとうございます!


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続いて、東京から。


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「幸せは足し算、悲しみは引き算、喜びは掛け算、苦しみは割り算、そして出産は安産。お二人の末永い幸せを祈っています」


カリー de Yeah! でおなじみのブーマーさんより、いただきました。

「上手い!」「あいつ意外と考えてきたねー」と盛り上がりましたが、あとでブーマーさんに電話したら、雛形に載ってた出来合いの文章だったとのこと。。ブーマーさんらしい。でもありがとう。





そして神奈川県からも。



BGMは「Coba / 過ぎ去りし永遠の日々」 a.k.a 16小説のラブソング に(差出人指定らしい)。



「Marちゃん、Yumiちゃん、結婚おめでとう。
政権交代、のりピー事件、萩クロマグロトーナメントでの、松方弘樹二年連続優勝・・・この激動の時代に、結婚という人生の階段を上がる二人に、人生初の電報を送りました。
Yumiちゃん、数年後、Marちゃんの身体から、耐え難い加齢臭が漂い、パンツにはうんこがこびり付き、マシュマロの如きフニャチンになろうとも、今と変わらず抱きしめてあげてください。
Marちゃん、Yumiちゃんの孤独が魚だったとしたら、Marピーの30分クッキングで美味しいフライにでもして、ペロリと平らげてあげてね。」



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われらがゴッドファーザー taQmaからいただきました。松方弘樹出してくるあたり、あたくし的にかなりのヒット。でも伊坂さんの「フィッシュストーリー」はまだ読んでなかったので最後のくだりは聞くまでわかりませんでした。ごめん。すぐ読みます。




後でtaQmaと電話した際に聞いたところによると、前日に24時間ぶっ通しで仕事して、期限ギリギリに脳ミソ振り絞るようにして考えた祝電の文章が、文字数オーバーになってしまって差出人の欄すら本文に使ったけど足りず、泣く泣く一部省略してコンパクトにまとめたという苦心作。

taQmaが人生で初めて送ってくれた難産の祝電に深く感謝。ありがとう。


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さぁパーティーはメインイベント、ケーキ入刀へ。みんなからいただいたサプライズケーキ。でかい!「mooks ムック」のパティシエ?、オニちゃんが腕によりをかけて作ってくれたようです。


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司会のミヤレモンが取り仕切る中、BGMはわたくし好みとは遠う方向の、でも聞き覚えのあるナンバーに。

イントロからボーカルINに合わせてナイフを入れると、背後からShinji扮するタイラーさんの生歌が。


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「おまえかい!」とツッコむも本人すでにタイラーさんが乗り移ってて、エアエアロスミスならぬ生エアロスミス!

やはりこれテッパンです。映画「アルマゲドン」テーマソング、エアロスミス / I Don’t Want To Miss A Thing 。もうディナーショー状態。


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タイラーさんのショーが無事終わると、さらにもう一つオニちゃんから特製ケーキをいただきました。クライミングが趣味のあたくしのために二人で山登りをしているのをイメージしたケーキ。
フランスではケーキの中に小鳥を隠していてそれを見つけれた人は幸せになるという話があるそうです(たしか)。で、その焼き物でできた小鳥を見事にケーキの中から発掘!
素敵なプレゼントどうもありがとう!


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宴も酣となりあたくしのお礼の挨拶。あたくし何とか踏ん張りましたが、Yumioは落涙。

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最後はみんなから一言メッセージを添えてもらったアルバムのプレゼント。感謝しかないです。Yoppyをはじめ、まとめてくれたみんなありがとう。

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そして一本締めはやはりこの人。たてようさん。引き締まりました!


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みんなで記念撮影。

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そして2次会は、hiyamaのいる「えむや」へ。


K子ちゃん、Chieちゃん、Tomoさん、Yukariも合流。仕事帰りにわざわざありがとう。


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遅くまで杯を回し回し。ヘベレケでした。


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いやー、ほんと仲間がいるというのはすばらしいことだと思いました。
自分には特にこれと言って何もありませんが、ほんとにこんなに温かい仲間に囲まれているのが誇りです。人は財産なりということをあらためて思いました。

大事なのはお金や物や時間や情報や地位なんかじゃなくて、自分の周りにいてくれる人。特に昔から知っていて気が合う仲間ほど大切なものはないなと心の底から思いました。


有名ベストセラー作家が私的なことで感謝の気持ちを文章にする場合ってどんな風に書くんでしょうか。
例えば、村上春樹、伊坂幸太郎、東野圭吾とかが。

想像しようと試みましたが、全く想像できませんでした。とにかく下手に質の低い文章を書くより、わたくしの場合は文量で勝負することにしました。なので今回は長くなってしまった次第です。


この日来てくれたみなさん(順不同)、

harishi、345、Yoppy、だいちゃん、たーちゃん、ヒロユキ、hirono、mi-ko、yukari、ミッキー、canaちゃん、Go君、NamiL、たてよう、sawz、Ucchi、Shizkaちゃん、Qumiちゃん、キャップ、Oguやん、Chieちゃん、Tomoさん、K子ちゃん、Hiyama
遠くからお祝いしていただいた、eiji, miyukiさん、ブーマーさん、taQma、iwata、yukkie、@y@ちゃん、ノリP (書いてない人いないよね?)

それと、いろいろお世話いただいたり、シャンパンやケーキを出していただいたり、キャンドルとかまで準備してくれた mooks ムックの岡ちゃん(って呼んでいいっすか?)、オニちゃん、をはじめスタッフのみなさん、

2次会でお世話になった、えむやのとしさん。

そして最後に、このパーティーを企画・主催してくれた5名(最後は疲れてつぶれてました・・)の幹事に深く深く感謝申し上げます。



幹事の5名は写真とともに。




P助

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いつも深夜近くまで仕事してて、仕事に家庭にめちゃくちゃ忙しいのに、具合が悪くなるくらいまでがんばっていろんな準備してくれて、ほんとありがとうございました。
あたくしがおまえさんの披露宴でやった友人代表挨拶への見事な回答でしたよ。




Yu-ki

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あんたみたいに友達思いのやつはなかなかいませんよ。これはみんなが言ってます。パーティー中、終始BGMとして流れていた、この会のためにわざわざ選曲してくれたあたくし好みのセットリストと各企画時の音素材のセレクトはドストライクでした。さすがです。ほんとありがとうございました!




Shinちゃん

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まさか自分の披露パーティー(宴?)のケーキ入刀時にエアロスミスがかかるとは、30年生きてて想像もしなかったけど、そのインストにのるボーカルラインがスティーブン・タイラーじゃなくてあんたの生歌になるとは。もうこの曲、皮肉にも一生忘れられない曲になっちゃいましたよ。大役をどうもありがとうございました!




Ryuちゃん

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いっつもあたくしがカメラ役ですが、今回はあたくし主役ということで、いつも以上に披露パーティ中ずっと写真撮り続けてくれて感謝です。式では大金はたいてプロのカメラマンに撮ってもらいましたが、あたくしはRyuちゃんが撮った写真の構図と色合いのほうが好きです。今度全部データください。




ケロロ

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Yumioが写真で見たおまえのヨハネクラウザー三世のコスプレを見て、一度ケロロのコスプレをこの目で見てみたいと言っていたのを叶えてくれてありがとう!ミヤレモンはなかなかネーミングが浸透しませんが、体と声を張った司会進行最高でした。おまえの男気にはいつも感服します。ありがとうございました!




みなさんお忙しい中わたくしたちのために、たくさんの温かいメッセージやお祝い、本当にありがとうございました。ほんと最高の仲間に囲まれて幸せです。


親族、地元以外の同級生、会社の上司・同僚のみなさま、お客さま、仕事関係の先輩や同僚の方々にも、個別にお祝いしていただいたりして大変大変感謝しております。ブログをご覧になっている方も少なくありませんので、この場を借りて厚く厚く御礼申し上げます。



これから2ヶ月間に渡って、地元有田人の結婚式ラッシュを迎えますんで、今度はわたくしがみなさんにもらった気持ちを倍にするくらいの勢いでお祝いさせていただく所存です!自分がもらった幸せは次の人へ。


まだまだ足りない部分がたくさんある二人ですが、今後ともご指導ご鞭撻のほどどうぞよろしくお願いします。



(なんかガラにもなく熱い投稿になってしまい、気持ち悪かった人もいるかもしれませんが、今回ばかりはご容赦ください)








奥山清行氏が有田に来る

有田の人はすでにご存知の方も多いでしょうが、フェラーリやポルシェのデザインを手がけたことで有名な工業デザイナーの奥山清行氏が有田にやってくるようです。


有田地域雇用創造推進協議会が主催(たぶん)する、求職者と経営者に役立つ2月3月のセミナーの一つとして、3月11日(木)、「人生を決めた15分 創造の1/10000」というタイトルでやるようです。



経営者セミナー:人生を決めた15分 創造の1/10000(1万分の1)

[講師]
奥山清行

[場所]
九州陶磁文化館 講堂

[日時]
2010年03月11日(木) 19:00~21:00

[参加対象者]
有田町内在住者、有田町内企業への求職者および創業・起業を検討中の人


※要申込


これはいかねば!!!


以前、私が見る数少ないテレビ番組の一つ、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」にも出ていらっしゃいました。YouTubeにあったのでご存じない方はどうぞ。どうもNo1がないのでNo2から。







オンライン付箋のブログ内埋込み

お久しぶりです。Marです。

ちょっと仕事で使ってみようかと思っているWebサービスの実験をしています。linoit.com というオンライン付箋サービスのHTML埋込みタグをいれてます。
公開の設定をどの程度細かくいじれるのかテスト中。みんなでそれぞれが撮ったイベントの写真を貼ったりして楽しく使えますな。

いま、誰でも自由に付箋を張り付けれるようにしてるので興味がある方は何か書いてみては?




北南米を自転車で縦断した、西野旅峰さんの講演会

1か月前から行きたいと思っていた、佐大OBで北南米を1年8ヶ月に渡って自転車で縦断した西野旅峰(にしのりょお)さんの講演が、本日、西有田中学校で開催されました。


題して「人・旅・夢紀行~北南米自転車縦断の旅という日々~」


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もちろん平日で仕事だったので、昼休みをずらしてとり、飯も食わずに講演途中から会場に入りましたので全部は聞けていませんが、それでもかなり素晴らしい内容。




旅の写真をスクリーンに投影しながら、アラスカのフェアバンクスから南米の南端、南緯55度のゴールまで、道中の出来事や印象に残った出会いや言葉、マラリアでダウンしたこと、旅で感じたことなどを話されました。これこそ旅人。偉業です。まさに男のロマンです。


我らがRyuちゃんも撮影にかけつけていたので後日有田の人たちはテレビで見ることができると思います。(見逃した部分があるのでRyuちゃんよろしくお願いします!)


最後に公開質問コーナーがあったので、一緒に行ったくらいまーさんと私はここぞとばかりに、旅のテクニカルな部分を質問させていただきました。



講演中印象に残った言葉。


「人に優しくしてもらったら、その分今度は自分が他の人にために優しくしてあげましょう。」


西野さんも言われていましたが、旅中は本当に様々な現地の人に助けてもらうことが多いです。そして助けてもらったら本当に幸せな気持ちと感謝の気持ちでいっぱいになります。

そうやって自分が見ず知らずの人からもらった暖かい気持ちを、今度は自分が誰か他の人にために返すということです。プラスの連鎖ですね。



あとは、「なんのために旅をしているのですか?」という質問に対し西野さんは、「死ぬときに、よく生きたなと思いたいから」と言いました。「自分探しの旅に出ます」とかよく聞きますが、西野さんは「自分をつくる旅」と言っていました。グッとくる言葉でした。


私より年下でしたが、すごく人間が大きく見えました。




こういう講演を中学や高校時代に聞いていれば、時間のあるときにもっといろいろ旅して回っただろうになと思いました。今日聞いた西有田中学校の生徒さんたちはほんとラッキーだと思います。



これは帰りに控え室に押しかけて記念撮影させてもらった一枚。西野さんの自転車と一緒に。


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ほんとはもっと色々な事を聞きたかったのですが時間がなく少しだけしかお話できませんでしたが、とても腰がひくく、感謝の言葉ばかりおっしゃられる謙虚な方でした。器が大きい人だなという印象。



「次の旅の予定は?」と聞くと、「2年後くらいに、もうひとつの行ってない大陸を今度は」というお答え。ユーラシア、アフリカですかね。アジア諸国やアフリカを周ったらまた一味違ってさらに大きくなるんだろうなと思います。ぜひ頑張って達成してほしいものです。


とてもいい講演をありがとうございました。











iPhoneはベニスではなくフローレンスに死す。そして愚かさにようやく気がついた。前編

前回のつづき

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イタリアに入った。


ミラノから列車で2時間、フィレンツェ(フローレンス)に着く。フィレンツェを訪れるのは2度目だ。背が低く赤い屋根をした家々と、巨大なドゥオーモがとても美しい街である。


ないお金と、ない時間を使ってせっかく旅行をするなら、できれば一度も訪れたことがないところに行くほうを個人的には好むのだが、「ここはもうたぶん二度と来ないな」というところと、「もう一回来たいな」と思うところがり、フィレンツェは後者のほうだった。理由は自分でもよくわからないが。なのでまた訪れたのだ。





基本的にほとんどいつも一人旅ばかりだが、前回のフィレンツェ訪問は卒業旅行の一部として、友人たち5人で訪れた。その中には我らがP助もいた。



イタリアにはジプシーという移動系民族がいるのだが、よくあるスリの手法として、親子ジプシーの子供が、歩いている観光客を突然ダンボールで包み込み、驚いている間に親ジプシーが財布を盗むというのがある。


当時、通りを5人で縦に並んで歩いていて、私が先頭、P助が一番後ろを歩いていたとき、私が何気なく振り返るとP助は段ボールに包まれていて今にも親ジプシーにスられそうになっていた。

本に書いてある典型的なスリの事例がまさにその時眼前で展開されていたのだ。



日本人観光客がスリにあっている現場を生で目撃したのは、後にも先にもあれ一度きりであり、とても貴重なものを見せていただいたと思っている。あの時は指をさして笑ってしまったが、この場を借りてP助に厚く御礼申し上げたい。


そんな思い出深いフィレンツェ(もしかしたらあれはローマだったかもしれないけど)は、歩いているとそのドゥオーモや街の美しさに圧倒され、カメラのシャッターをきる回数もおのずと多くなってくるのだが、私の一眼レフの画角でとらえた光景は、自分の目でみたほぼ180度パノラマの光景には到底及ばず、その素晴らしさはほんの少ししか伝わらない。


Google Earth を見たほうがよっぽど伝わるような気がするため、願わくばそっちで確認してほしいくらいであるが、一応一枚だけ掲載してみる。しかしこれはそのへんを少し考慮してご覧いただきたい。画角が狭くて写っていないが、この右側にジョットの塔がそびえ立っていてそれが実に見事なのだ。

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さて話を本題に戻すが、ここフィレンツェは(当たり前だが)オーストリアとは別の国なのでもちろん携帯キャリアも異なる。


イタリアの主な携帯キャリアとしては、TIM、WIND、3、Vodafone の4社があり、街の携帯屋に聞いたところ、TIM か WINDが安定しているとのことだったので、その2社が出しているプリペイドSIMについて調べたところWIND社が出している1week 3ユーロでパケット通信無制限(事実上)というのが今回の自分には合っていた。



それでフィレンツェに着いてすぐに、宿のスタッフに近くにあるWINDのショップを教えてもらい向かう。


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いくつかのプリペイドSIMのラインナップを説明してもらったが、やはり事前に調べておいた1weekデータ通信無制限のものを選択した。初回だけ登録料のようなものがかかるため、実際には全部で15ユーロである。しかし短期旅行なのでこの金額で旅行中無制限に3Gネットワークが使えるのであれば相当安い。


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オーストリアではプリペイドSIMは街のいたるところでID提示なしに買え、購入後すぐに使えていたが、イタリアは少し事情が異なっていた。ドキュメント(パスポート等の身分証明書)も要求されるし、契約後アクティベーション(機能の有効化)に2時間ほどかかる。その間は電波が何本立っていようが通信は不可能なのだ。


DSC_2349 (イタリアの携帯キャリア4社が表示されているのが御覧いただける。一番上には挿したSIMの「WIND」の文字が。電波が入っていて「3G」も表示されているが、アクティベーションが完了するまではネットワーク機能は使えない)




2,3時間してアクティベーションが完了したら、完了通知を知らせるSMSが送られてくるとのことだったので、WINDのショップのねぇちゃんにお礼とCiaoを言って店を出て街を散策することにした。


ちょうど3時間ほど経った頃か、歩いていると突然Gmailの受信音がしたので、あれ?まだアクティベーション完了のSMSは来ていないのにオンラインになったのかなと思いメールチェックをする。一応オンラインになったので、SMSは来てないがまぁいいやと思い、調べたいことがいくつか貯まっていたのでちょっとインターネットをする。しかししばらくしていたら途中で途切れ途切れになり、ついには接続できなくなった。





もうショップも閉まってるし、まぁまだSMSも来てないしと思い、仕方がないのでそのまま放置して街を散策するが一向にSMSは来ない。またネット接続を試みるが失敗。




ついには「PDP authorisation error」とかいうエラーが出た。



日本でiPhoneを使ってたときは出たことがなく、解決方法がわからなかったので急遽その辺にあったネット屋(ネットカフェ)に入って1ユーロ30分で調べることにした。



WIND, iPhone, 3GS, PDP, authorisation, error などのキーワードで検索していたら同じような症状になった事例がいくつか出てきて、解決方法も一通り載っていた。英語やイタリア語だったが、別にiPhoneの設定について書いてあるだけなので特に難しいことはない。それに示してある通りにネットワーク設定をいじくっていた。すると突然iPhoneがリブート(再起動)し、いつもの起動時のりんごマーク。


しかしいつもは1分ほどでりんごマークをぬけてちゃんとOSが起動するのにずっとりんごマークのまま。。。




まだ1ユーロ分の30分間を超すには時間があったので、ネット屋でそのままiPhone のOSが起動しないときの対処法を調べ、いろいろやってみるがどうやっても起動しない。で、行き着く結論は結局、母艦のマシン(私の場合、自宅のMac)につなげて復元するしかなさそう・・・



最悪だ。せっかくのハイテク旅行実験の真っ最中に、メインデバイスのOSすら起動しないとは。もうメールもネットもガイドブックもマップもナビもメモもTwitterもブログ更新もできず、ましてや朝の目覚まし時計にすら使えなくなってしまった。もはやただの板だ。



しばらくの間、いろいろいじくりすぎたことを後悔したが、復活させるには、その辺のMacか、iTunesがインストールされたPCにつながせてもらってとりあえずOSだけでも入れなおすか、帰国して自分のMacでちゃんとやるかしか残された道はない。


その辺のMacかPCにつないでOS入れなおしたところで、結局イタリアのSIMを挿しても使えないためそれは特に意味ないわけだ。



そう考えるともうハイテクに頼るのはここまでにして、この後は完全に割り切って全く真逆のやり方で旅行を楽しむことに決めた。それしかない。



つづく。