2009.02.11 湊かなえ「告白」 新人作家ながら、2009年本屋大賞にもノミネートされ、いろんなところで何かと話題の、湊かなえさんの「告白」。 評判が良さそうだったのでずいぶん前から気になっていたのですが、ようやく読みました。 (ネタばれするといけないので詳しく書きませんが)、全部で6つの章から構成されていて、ある事件について各章ごとに違う人の視点から話が進んでいきます。 口語体の文章が句点でぶちぶちと区切られながら始まる第1章は、最初変な違和感がありますがそれが逆にスピードと緊張感を醸し出していて、この章だけでも十分におもしろい一つの短編として読むこともできます。 章を追うごとに事件の真相が少しずつ少しずつ明らかになっていっていく構成は、読了するまで一気に読み進め続けてしまいます。 前述したように章ごとに違う人の視点で事件のことが描かれているのですが、全ての章においてその章の主人公(と言っていいのかな・・)の感情表現がうまいなと思いました。 それと、普段生活している中では「あたりまえ」と思っているけど、よく考えればおかしなことだよねということに対して、人物の台詞や思いを使って冷静に率直に意見しているようなところがあり、この作家さんはすごくまともな人で、常に物事の本質を考えている人なのかなと感じました。 ミステリー小説で最近読んだ中では、東野圭吾の「聖女の救済」もよかったですが、この「告白」のほうが個人的には好きでした。 数時間で読み終えるくらいの内容なのでよかったらみなさん読んでみてください。 あー、それにしても村上春樹の新作早く出ないかな。。。 Amazon.co.jp ウィジェット Tweet