お疲れさまです。Marです。


グルメ情報、久々に書きます。さすがにこんだけ時間経つと、ネタは結構貯まっているのですが、今回はその中でもちょっと特殊なお店を紹介しようと思います。

と言っても、タイトルにも書いたように店名は非公開にさせていただきます。(理由は後述します)





だいぶ前に、ラーメン通の友人から、「博多区にある、○○ってラーメン屋行ったことある?」と聞かれて、「いや、ないねー」と答えましたところ、



「まぁ、Mar君も遅かれ早かれあの店には行くことにはなるとは思うけど、まだ行ってないのなら早めに済ませておいたほうがいいよ。○○に行ったことないって言ったら、場合によっては恥かくこともあるやろうけん」


と友人。




あたくしは、

「じゃあ今度行ってみるよ」

と言いいながらも結局ずうっと行かずじまいになっておりました。



彼がわざわざ行くのを勧めるラーメン屋はそんなにないので、心のどこかでずっと気にはなっていたものの、ちょうど場所的にあまり行くエリアではなかったので長い時間が経ってしまいました。



で、先日、ちょうど近くを通ったときに昼時で、しかもラーメンが食べたかったので、その友人に電話し、件のラーメン屋の名前を聞きました。(名前すら忘れていたので)


すると、友人は、

「あー、○○ね。あそこは [シキタリ] があるけん、行く前にちゃんとGooglingして予習して入りーよ。でないと、入店は出来ても食べることができんかもしれんけん。でも行くべき店やけん、今日済ませれるなら済ませときー」というお告げ。

早速Googlingしてみると、なかなかすごい [シキタリ] とエピソードが出てきました。



例えばこんな感じ。


・この店は独自の法律が存在しており、それを破った客はすぐに退場させられる。とか。

・「誰に聞いて来たんですか?」と店主が尋ねてきたので、「ネットで知りました」と答えたら、「あー、最近はそういう人が多いんですよ。全く営業妨害だ。常連客さんに迷惑がかかる」と店長が毒づいた。とか。

・スープを飲む前に麺を食べたら即刻出て行けと言われた。とか。

・一口食べる前に高菜を入れたら怒鳴られた。とか。

・一見さんはお断り。とか。

・ラーメン観について質問される。それに答えられないと退場。とか。



他にもいろいろあるのですが、多少の脚色はあるにせよ、なかなか普通じゃないお店というのは間違いないようなのです。でも味の評価はすこぶる高い。特にスープに関してはすごくいい評価。




これはたしかに行くべき店だなと思って、早速そのお店があると思われる場所に急行。




でも住所の場所に行っても全くラーメン屋らしいお店はなく、Google Street Viewで確認しても店らしい店は写ってない。
「もしかして、もうつぶれたのか?」なんて心配してたら、普通のビルの普通のドアの向こうに吸い込まれるように入って行く人が数名。



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「なるほど、ここか」とピンと来て、恐る恐るそのドアを開けると、まぁどうでしょう。



中にはラーメンを無心に食べるたくさんの猛者たちがいるではありませぬか。



あとで調べてわかったのですが、最初はちゃんと看板とかが出ていたらしいのですが、ある時から看板とかを一切無くして完全に一見さんお断りにしたらしいのです。理由は不明だとか。



ドアを開けた我々は(男二人で入店しました)、興奮を隠しながらキッチン前に空いていたテーブル席へと座りました。


二人掛けのテーブル席が4つ(たぶん)、カウンターに5、6人くらい座れるくらいの店内です。


事前に調べた情報に、「キョロキョロしてたら退場させられる(一見さんと思われるから)」と書いてあったので、店主と女性店員(奥さんだと思われる)にバレないように、壁に書いてあるメニューやら、注意事項の位置を確認しながら、奥さんがオーダーをとりに来るのを待ちます。


とりあえずメニューは3つくらいありました(よく覚えていません)ので、普通のラーメンのカタ麺を選択することに決定。


あくまでも一見さんではなく、「少なくとも一度は来たことあるよ的な体」でいかねば退場させられる可能性があるので、そういう雰囲気をなるべく醸し出すよう努力しつつ、オーダーを取りに来た奥さんに「ラーメン、カタで」とオーダー。


ラーメン屋にいるのに、まるで、人生で初めてバーに行って、バーに初めて来たことを悟られないように、知った風にカクテルを頼む若者のような自分に少々恥じらいを覚えつつも、とりあえずオーダー時の退場は免れホッとする刹那。


幸いキッチンの真ん前のテーブル席に座ったので、ちょうどキッチンカウンターの下の壁で、ラーメンを作っている店主からは死角になっていたので、それをいいことにコソコソと店内をチェック。


まずは営業時間を記す案内。

[営業時間]
開店時間 : スープが完成次第開店
閉店時間 : スープが無くなり次第閉店
スープが未完成の場合は休業します
目安営業時間(平日) : 11:00 〜 18:00
目安営業時間(土曜) : 11:00 〜 17:00
店休日 : 日曜



いやー、いきなりなかなかですね。



そして、注意事項には、


当店は「ラーメンはスープが命」という方が集う専門店です。まずはスープから吟味するのがお好みでない方は当店のご利用をご遠慮ください。


という一文。

(いずれもあたくしの記憶をたよりに書いたので、完璧に正確ではありません。間違ってる部分があるかもしれませんのでご了承を)



さらに、交通標識の駐車禁止マークのような感じで、

携帯 ×
カメラ ×
タバコ ×

と示してあります。




ランチ時に食事が運ばれてくる間の待ち時間には、TwitterのTLをチェックをしたり、ブログ用に店内写真を撮ったりするのが当たり前のようなあたくしでも、さすがに事前調査でわかった恐い[シキタリ]があるので、初めてのお店で一度も食べることなく退場させられてはたまらんし、今回ばかりは終止コンプライアンス重視でのぞみました。


従って、今回は店内の写真はもちろん、ラーメンの写真すら撮れていません。




店内の他のお客さんは、それはもう慣れた感じというか、もしかしたら我々と同じく隠れ一見さんがいたのかもしれませんが、みんな優秀な常連さんのようでした。



その振る舞いは堂々として落ち着いており、例えばお店に入って来たときも、すぐには席に座らず店員さん(奥さん?)が席を案内するまでは何も言わずにじっとドアの前で待っていたり、全員がほとんど私語もせずに、ただただラーメンに向き合うという姿勢がひしひしと感じられ、タバコなんて言語道断、携帯を触る者など誰一人おらず、ましてや平原綾香の着うたなんか一メロも聴こえてきませんでした。




ただ、一つだけ事前情報と印象が違っていたことがあります。


店主と店員さんです。



2人はすごく元気がよく、丁寧で礼儀正しい応対をするのです。


てっきり強面の頑固親父の店主がやっている店と思っていたのですが、全然高齢でもなく、とても元気のいいかけ声をする気持ちのよい店主さんでした。店員の奥さまらしき女性もとても愛想がよく丁寧で、そこは予想とのギャップがあったせいもあり好感を持てました。





さて、オーダーしてから待つこと数分。


店員さん(奥さま?)が、「お待たせしました。どうぞスープからお召し上がりください」という一言と共にラーメンを運んできました。


この「スープからお召し上がり〜」の一言をわざわざ言ってくれるのは、もしかして、



この店の法律 第一条 第一項 に記載されている、最も重要な条文、

「ラーメンが来たら、まずはスープから吟味しなければならない」

をどうか遵守してください、うちの店法に抵触されるお客様がいた場合は、当該店舗の裁判官たる夫が退場を命じる可能性がありますから。




と暗にお客たる我々に教えてくれているのではないかと思い、優しさのようなものを感じてしまいました。



その言葉を無駄にしないよう、目の前の辛子高菜(トッピングはこれのみ。コショウすらない)を入れるのを我慢し、箸には見向きもせず、まずレンゲを手に取りスープをひとすすり。



コンプライアンス重視のこの日のあたくしは、さらに味を吟味するため、ふたすすり、そして、みすすり。





まことに立派なお味でございました。






この店には、他にも、子供を連れて来た時点で入店お断りとか、携帯の着信音がなった時点で即退場とか、数々の伝説があるようです。(真偽は知りませんよ)


ただ、本当にラーメンに対してまっすぐな姿勢を持っている方たちというのは間違いないようです。


常連さんを大切にし、ネットで知ったという一見さんをあまりよく思わなかったり、ネットで紹介されること自体が好きではないようなので(すべてネット上に書かれた内容なのでほんとかどうかは知りませんよ)、ここで店名とか出して、次に行ったときに追い返されてはあたくしもいやなので、念のため今回のグルメ情報では店名も住所も電話(これはマジで誰も知らないみたい)も書きません。


一応、作り話じゃないことを示すために、先の外観の写真を一枚だけ載せておくだけにとどめておきます。



詳しいお味が気になる方は、ぜひご自身でお確かめください。ただし法令遵守を忘れずに。



もし行ってみたいという方がいらっしゃれば、どうぞお気軽にあたくしにご連絡ください。こっそりお教えいたします。(こんな世の中なんでネットで検索すればすぐわかると思いますが)


遠くから九州に遊びに来た友人とかを連れて行けば喜んでもらえると思いますよ。



mar@yycrew.net


初の、料理写真なしのグルメ情報、これにて終わりです。

それではまた。