こんばんは。Marです。

今日は事業承継についての勉強会に参加したのでそれの要点だけご紹介。

団塊世代の経営者はちょうどいま引退時期を迎えているか、もしくは頭のどこかでそのことをいつも考えていらっしゃる人が多いようです。

それで今日出席した勉強会では、実際に事業を承継した2代目社長が講師で、自分の経験に基づいた事業承継のお話を聞くことができました。とても勉強になったので一部ですが私が書き留めた点のみご紹介します。


「事業承継」は大きく分類すると次の3つに分けることができます。

1. 親族承継

2. 親族外承継

3. M&A



まぁ見ての通りですが、


1.親族承継は、中小企業に最も多い、経営者の親族への承継(息子とか親戚とかが多いですね)

2. 親族外承継は、1とは違って親族ではない人への承継。例えば優秀な社員とか、社外から引っぱって来た優秀な人とか。

3.M&Aはそのまんま。企業買収・企業合併です。




それぞれメリット・デメリットあると思いますが、主なメリットを挙げると、


1は、親族が経営者になるとその人は基本的には辞めることがないから働いている従業員が安心。

2は、その会社に新しい風が入ってくる。

3は、お金が入ってくる。あとは基本的に従業員もそのまま引き継いでもらえるから、従業員がそのまま仕事を続けることができる。


という感じです。



中小企業では、親族承継か親族外承継のいずれかというのがほとんどでしょう。特に親族承継が最も多いと思うので、親族承継を考える上で、現経営者が次期経営者に引き継ぐときのポイントとして挙げられたのを抜粋して列挙します。


まず、

・誰に引き継ぐのがいいのかを考える。これは会社で働いている従業員のことを中心に考えながら決めると良い。「家業は長男が引き継ぐのが普通だろう」というような考えではなくですね。


・どういうポジションにするか考える。他社で仕事してて、これから入社させる場合は、その次期経営者候補のこれまでの経験や実績が自社経営に関係あるものかとかも考慮する。超下っ端からさせるのか、ある程度の役職を与えるかとか。ただ、何にも経験も実績もないのにいきなり高い役職を与えると結果的に従業員からの反発を招く場合が多い。


・給料は安全策として低くしておいたほうが無難。実績がないのに給料だけ高いと他の従業員から反感を買う。もし相続対策とかその他ちゃんとした理由があって高くしておく場合は必ずそのことを他の職員に説明しておく。(数字上はこんなに多いけど、実際はこれは○○のためだから手取りはこの程度しかないんですよとか)


・現経営者から次期経営者候補に、自社の試算表を見せて現況を細かく説明しておく。負債がいくらあって、利益が毎期こんくらい出ててとか。しかしこういう業績みたいなのは次期経営者候補にだけ説明するのではなく、全職員に定期的に説明しておくのがよりよい。現状も説明しないまま「厳しい」とか「目標を立ててがんばれ」とか言っても説得力がないし、従業員もどれだけがんばったら、どうなるかとかよく想像できないから。別に経営者のもらってる役員報酬(とか手取り)までは公開する必要はないけども。


・古参の幹部、古くからの従業員たちには「厳しく育ててやってください。どうかよろしくお願いします」という姿勢で。間違っても「息子をいっぱしの経営者に育てるのも、君たちの仕事の一つだ」みたいな態度ではだめ。


・経営会議には必ず参画させる。


・次期経営者候補を決めたら、早めに社内に公表する。


・(極端な表現だが)次期経営者候補を一番冷遇する。現経営者が率先して次期経営者を追い込むようにする。


・現経営者自ら、次期経営者候補にみんなが一番やりたがらない仕事とか、一番きつい仕事をさせる。(現経営者が甘やかしたり、次期経営者が楽をしていると、長く働いている従業員は次期若手経営者についてこないしましてや尊敬されない)


・次期経営者は誰よりも低姿勢で誰よりも一番働くこと。


・次期経営者の修業期間を例えば1年とか2年とか期限を決めてがむしゃらにがんばらせる。その間に他の従業員、幹部も納得させる成果を出させる。あるいはその間に古参幹部にすら負けない得意分野を身につけさせる(まぁこれも成果と言えば成果)。戦国武将が自分の後継者を大将とした初陣にわざと弱い相手を選んで勝ち戦をさせることと同じ。部下に「この大将で大丈夫だ」と示す。




全部ではないですが、以上が私がメモった主なポイントです。多少私の言葉で書いた分もありますがだいたいこんな感じだったと思います。


実際に講師の方はお父さまから事業を承継し、自らの経験に基づいた話だったのでとても説得力がありましたし、雇われの一社員として働いている私としても「たしかに従業員からしたらこういう後継者じゃないとな」というのが率直な感想でした。




しかし特に最後の方の「誰よりも一番働く」とか「一番冷遇されるべき」とか聞くと、後継者というか経営者というのは本当に過酷なものだなと感じます。


創業者は創業者で、ものすごくエネルギーがいるし、事業を承継させるまでに会社を長きに渡って経営されてきたわけですから、それはもうとてもすごいことと思いますが、その事業を継ぐ側は継ぐ側で、古参の幹部たちや他の優秀な従業員さんがいる中で、尊敬されるような仕事ぶりや人物像でなければ誰もついてこないわけだし、事業をきちんと存続させなければとか、取引先や顧客から先代と比較されるプレッシャー、さらに時代に合った自分の色も出していきたいと思うはずで、とにかくとてもとても大変だと思いますし、そんな中をがむしゃらにがんばられている方を見ると本当にすごいなと尊敬します。


すでにこの歳になると経営者や次期経営者の友人知人も少なくなかったりしますが、じゃーいざ自分も同じことができるのかと自問すると。。。う〜〜む。。。と唸ってしまう自分がいるので、やっぱみんなすごいなって思います。


では、おやすみなさい。



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