こんばんは。Marです。



アメリカの「Bluebrain」というデュオが先週発表した「The National Mall」というアルバムは、そのアルバムの形態が画期的でおもしろいです。(情報ソース via こちら or here)



bluebrain_the_national_mall_mini

(一応言っておくと、私はこの「Bluebrain」というバンドについてこないだ初めて知りましたし、よって彼らの音楽性についても全く知りません。もしかしたら超有名なのかもですが。。)



この「The National Mall」というアルバム、アルバムとは言ったものの実際はiPhone用のアプリという形をとっているのですが、このiPhone用アプリという形式をとっているという点について言えば、もちろん新しくはありますが、これまでにも似たようなのはいくつか存在していました。


ちなみに最近ではコーネリアスこと小山田圭吾プロデュースの「Salyu x Salyu / s(o)un(d)beams」の試聴盤もiPhoneアプリとして発売前に無料ダウンロードでき、それを使って楽曲の一部を聴くことができました。



salyuxsalyu

Salyu x Salyu / s(o)un(d)beams」は私は試聴だけしかまだしてませんが、それでも相当良く、また先日のDOMMUNEで行われた、Salyu x Salyu のライブに至ってはハンパないクオリティでした。私がiPhoneアプリで試聴していた頃すでに予約して発売待ち状態だったYu-kiから、発売後にフルで聴いた感想を聞いたところ、めちゃめちゃ良かったとのことで、早く私も全曲聴きたいと思っております。





すいません、話がそれましたので戻します。。。




ではこの「Bluebrain」というバンドのニューアルバムの何が画期的なのかというと、それはiPhone のGPS情報をもとにして再生される曲が動的に変わるという点なのです。



実はこのアルバム「The National Mall」は基本的にアメリカのワシントンD.C.の中でしか聴くことができません。



というのが、ワシントンD.C.内の例えばAという場所にいるときは、xxxxという曲が再生され、Bという場所にいるときはyyyyという曲が再生されるようにあらかじめプログラムされているわけです。iPhoneにはGPSモジュールが付いていますから、現在地の位置情報は取得できます。



つまり、その場所・地点にいかないとアルバムの収録曲が聴けないということなのです。どうやら楽曲ごとにきちんとその場所にひもづいたものが再生されるように、作り手側(Bluebrain)が意図しているとのことで、作り手曰く「これはあくまでも[音楽アルバム]である」とのこと。テクノロジーを使ったアート作品みたいな感じもしますね。


(ちなみに余談ですが、The National MallというのはワシントンD.C.にある公園のことです。映画「フォレスト・ガンプ」にも出てくるReflecting Poolのあるあの公園です)

reflectingpool






ワシントンD.C.内の300箇所くらいで曲が聴けるようになっているみたいですが、逆にいうと商業的な面では、聴ける場所を限定しているためマーケットを相当絞っていることになるわけだからこのアルバムだけで言うと割に合うかどうかは微妙な気がします。業界初ということで話題性があるからプロモーションとしてはいいでしょうがね。。














さて、私がこの記事を読んで思ったのは、これは被災地の復興時に観光客を呼び戻すための一つの手段に使えるかもなということでした。



多くの人がそうだと思いますが、多少年齢を重ねると生まれ故郷の地元に少しでも恩返しがしたくなるものです。



有名なバンドとか人気があるアーティストとかもやっぱり自分の地元とかでライブをする時はちょっと気持ち的に違うみたいですし、実際に故郷のために何かしらのアクションを起こしている人も少なく有りません。


そこで、こういう位置情報連動型の音楽アルバムとかを作ったら、自分の地元に自分のファンが多数、新曲を聴きたいという理由でわざわざ訪れ、またそれがあまり一般的でない今なんかは話題性も伴って情報が拡散し、その地元にとって結構な経済効果を生むのではないかと思います。基本的にそこに行けないと新曲聴けないわけですからね。


最近ではドラマや映画の舞台を巡る、いわゆる「聖地巡礼ツアー」とかもかなり流行ってますし、このアイデアはそれにも似たような性質があると思いますから。



現在震源地に近い東北地方を中心に、日本国内全てにおいて観光産業が相当な打撃を受けていると言われています。余震も続いておりますし原発関連被害の影響もありますから、特に東北方面への観光客の数が震災前と同様になるにはまだまだ長い期間がかかる気がします。


地元出身のアーティストやその他有名なアーティスト達が現地で被災者を励ますライブとかをしているニュースもしばしば目にしますが、これから復興に向けて、これまでのように(これまで以上に)観光客を呼び込み地元経済を活性化させないといけないという時、そのエリア出身の有名アーティストとかが、こういう位置情報連携型のアルバムなどを作ったら、彼らのコアなファンの一部は実際に訪れてくれるのではないかと思います。



そういう動きを多くのアーティストがすることで、少しではあるかもしれませんが人の流入を増やし、地域経済に好影響を与える一つのいい手段になるかもしれないなと思いました。



実際に人が来れば、曲を購入する代金だけでなく、その土地で宿泊や食事やお土産のためにお金を落としてくれますし、ブログ等で宿泊した旅館や特産品やご当地グルメや観光スポットをPRしてくれるかもしれません。


単発でライブをしたり、義援金を募る曲をダウンロード販売する活動にプラスアルファで、こういう位置情報系の仕組みを使ったやり方を取り入れることで、長い期間に渡って連鎖的な経済効果を産む可能性があるのではと。


影響がある(人気があってファンが多い)アーティストがやったほうがより効果が大きいでしょう。もちろん東北地方出身じゃないアーティストでもできます。こういうことをやるとまた「売名行為だ」と言う人もいるでしょうが、「有名であること」をいい方向に使えばそれはそれでアリなんじゃないかと個人的には思います。


ただ、単に曲だけだと、こういう方式をいくらとったところで違法にネット上に流れてしまう可能性はかなり高いので、それでは意味がありませんから、曲だけではないほうがいいかもしれません。


例えば、とある場所に来たら、その地元出身のアーティストが、その場所の説明や紹介をする音声が再生されるとか、その場所での自分の個人的な思い出話が再生されるとか。これだったら例え違法にダウンロードしてもその場に立って聴くのと、その場にいないまま聴くのとではファンにとっては全く価値が変わりますからね。そういう意味ではやはり地元アーティストがやったほうがより効果は大きい気がします。



そんなことを考えてしまう画期的なアルバムでした。それではおやすみなさい。





— 引き続きこちらも選択肢の一つとしてよろしくお願いします。
Justgiving

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