続・2009年 上半期ベストディスク (邦楽編)


先日は上半期の個人的洋楽ベストディスクを紹介しましたが今回は邦楽編をお送りします。
正直洋楽に比べたらあまり買っていないんですが何枚か良作があったんで紹介しますね。


61lamfhj53l__sl500_aa240_ HANDSOMEBOY TECHNIQUE/TERRESTRIAL TONE CLUSTER

まずは京都在住の森野善貴のソロ・ユニット「HANDSOMEBOY TECHNIQUE」のアルバムを。

これはなかなか良いアルバムですよ。基本はドリーミーで軽やかなサンプリング主体のブレイクビーツ・サウンドなのですが曲それぞれがバラエティーに富んでおり飽きる事なく1枚聴かせます。

最近は海外のトレンドを猿真似するだけのオリジナリティーの欠片もない日本人クリエイターがとても多いですが彼はじつに日本人らしい感性をトラックに反映してて好感が持てます。
もうkitsuneやEd Bangerの焼き直しは正直懲り懲りですもんね。

Marも先日のイベントでプレゼントしたMix CDで使ってるんで是非聴いてみて下さいね。





614nrogcwml__sl500_aa240_ ハナレグミ/あいのわ

次は約4年半ぶりのリリースとなるハナレグミの新譜を。
ほんと待ちました。でも待った甲斐がある傑作ですよ。

今回は盟友であるポラリスのオオヤユウスケとの共同プロデュース。ゲストもBOSE(スチャダラパー)& AFRA、スカパラのホーン隊/ 沖祐市(キーボード)/ 茂木欣一(ドラム)等超豪華です。

とにかくリード・シングルである「光と影」が断トツで素晴しい。この曲だけのためでも買う価値あると思いますね。
正直この曲みたいなシリアスで胸を締めつけるようなメッセージソングやラブソングのみでアルバム1枚作ってほしかったとの思いはありますが、それは次回に期待ってことで。

あー、ライブ観たい…





51jf-tg22bhl__sl500_aa240_ the ARROWS/アロイ
次は名古屋出身のポップ・バンド「the ARROWS」のニュー・アルバムを。
今作は今までの彼らの代名詞だった四つ打ちでダンスフィールなポップソングを封印し、穏やかでタイトなビートによる平熱なグルーヴを
アルバム1枚通して展開してます。
ハナレグミと同じくプロデュースはポラリスのオオヤユウスケ。

歌詞も今までのダンスフロアでの喜怒哀楽路線からパーソナルで繊細な日常描写に。
ベッドルームで聴きたいアロウズ新機軸。悪くないです。





51owpg3gzvl__sl500_aa240_ 曽我部恵一BAND/ハピネス!

次は日本屈指のライブバンドである曽我部恵一BANDのセカンドアルバムを。

あいも変わらず今作もスウィートで粗削りなロックンロール全10曲。
全て一発録りによる剥き出しのライブテイクみたいなプロダクションには賛否分かれるでしょうが曲は粒揃いですよ。

それにしてもまもなく四十路になる曽我部恵一の若々しさとバイタリティーには恐れ入ります。
曲も歌詞もどんどんシンプルになり若返ってる気さえするのですが…

是非童心に戻って爆音で聴きましょう。





61ghr2zk8dl__sl500_aa240_ 髭 (HiGE) / D.I.Y.H.i.G.E.

次は髭 (HiGE)のニューアルバムを紹介します。

今作は制作当初、夏目漱石の「夢十夜」をロールモデルにしていたとメンバー自身が言う通り、かなり切なくドリーミーな作風になってます。
いきなり一曲目から甘く、優しいロッカ・バラッドで始まりますからね。良い意味でこれまでのHiGEのパブリック・イメージを覆す一枚なんじゃないでしょうか。

でもそこは日本屈指のロックンロールバンドであるHiGE。サイケデリックで如何わしいポップネスも散りばめてますよ。

それにしても須藤寿の書くリリックは今作でも冴えまくってますね。清志郎無き今、ユーモアと知性があって情景やリズム感を歌詞に感じとる事の出来るリリシストをこの国のポップシーンは決定的に欠いていると思うので彼には期待したいものです。

動画はアルバムのトーンからははみ出してる曲ですが、メンバー曰くTeenage Funclub ミーツ松田聖子(何のこっちゃ?)というリード・シングルを。





510iz9n9vql__sl500_aa240_1 くるり/魂のゆくえ

最後は前にMarがライブレポートをしていた「くるり」のニューアルバムを。

前作にあたる「ワルツを踊れ Tanz Walzer」が傑作中の傑作だったので正直期待半分、不安半分だったのですがさすがくるり、期待は裏切りませんでした。

アルバムとしての完成度は「ワルツを踊れ」には及びませんが岸田繁のソングライティングは乗りに乗ってると言っていいでしょう。素晴しい。

昔のくるりにあったヒリヒリした感覚やアッと驚くような仕掛けは無いですが、きっと日常に寄り添うサウンドトラックになってくれるはずです。
是非じっくり聴いてほしい一枚。最初は地味に思うかもしれませんが聴く度に印象が変わりますよ。





上半期はあまり日本人アーティストの作品を買わなかったので下半期は興味深い作品に多く出会えることを期待してます。
100s、The Beaches、Boom Boom Satellites、まりんこと砂原良徳の新譜が楽しみですね。
最後に日本のポップシーンの福音であり続けた忌野清志郎に感謝。
















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コメント

  1. Mar より:
    相変わらず表現豊かでいいレビュー書きますなー。だいたいYu-kiから貸してもらって聴いたものが多いですが、このレビュー読んでからぜひ聴いてみたくなった人多いと思います。

    実際、まだ聴いてないHiGEの新作とか聴きたくなりましたもんねー。下半期も期待してます。
  2. hirono より:
    そこらで売ってる音楽雑誌より、はるかに読みがいがあるよ。
    ハナレグミのライブは是非野外がオススメよ。
    その時はビールを忘れないで・・。

    タカシ~のラブアルバム・・いいね~出して欲しいね。
  3. yu-ki より:
    Mar>HIGEなかなか良いよ。
    今度貸します!

    hirono>ハナレグミのライブ行きたいけど今度の福岡公演の日は出張なのよね…
    無念。。

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