2009年 下半期ベストディスク(洋楽編)
今年も残り僅かということで、上半期も洋楽編、邦楽編を書きました個人的ベストディスクの下半期版をやりたいと思います。
ぶっちゃけ個人的に下半期は以前紹介したGirlsに尽きるのですが他にも良盤があるので紹介しますね。
Das Pop / Das Pop
では一枚目に紹介するのはベルギーのバンド、ダス・ポップのアルバムです。
これは胸キュンですよ~。
ひたすらフックの利いた黄金ポップスのオンパレード。ファウンテインズ・オブ・ウェイン、OK GOの不在を埋める久方振りのパワーポップの名盤です。
プロデュースは同郷のソウルワックス。
アタック感強めのプロダクションで絶妙な味つけをしてます。さすがのお仕事ですね。
下半期一番聴いたかも。
Tyondai Braxton / Central Market
こちらはマスロックの旗手、バトルスの頭脳であるタイヨンダイ・ブラクストンのソロ・アルバム。
凄いですよ、コレは。オーケストラとの共演で実現した新感覚のチェンバー・ポップ。
あまりのアイディアと演奏力の凄さに最初聴いた時は敷居が高くも感じましたが、何度も聴いてくうちに多様な音楽性とダイナミックな演奏に思わず持っていかれてしまいました。
いやー、アガる。ポップミュージックの可能性を切り拓いた今年を代表する一枚でしょう。
MIKA / Boy Who Knew Too Much
お次はデビュー作が大ヒットを記録した新世代ポップスター、ミーカのセカンドアルバムを。
もうとにかく冒頭2曲が最高。
完全にポップスターとして腹を括ったミーカの姿が胸を撃ちます。
後半ちょっとダレますがアルバムとしての完成度も前作以上でしょう。
もしかしたらポスト・マイケル・ジャクソン最右翼はこの人かも。違うかな?
Julian Casablancas / Phrazes For The Young
続いてはストロークスのヴォーカリスト、ジュリアン・カサブランカスのソロ・アルバムを。
これは良い意味で期待を裏切る良盤ではないでしょうか。
ストロークスといえば2001年の衝撃デビューで全世界的なロックンロール・リヴァイバルの発火点となったゼロ年代を象徴するバンドのひとつですが、このソロ・アルバムではチープなシンセを多用したある意味エレクトロ路線とも言える新機軸を見せてくれてます。
でもジュリアン特有のユニークなアレンジやフック満載のソングライティングは健在。
曲数が8曲しかなく一曲、一曲が長過ぎるとこは微妙ですが彼の才能を再確認できる一枚です。
でもやっぱストロークスの新作が聴きたーい!頑張ってねジュリアン。
Hudson Mohawke / Butter
次はwarpが誇る新世代ビート・マスター、ハドソン・モホークのデビュー作を。
ほんと今のwarpは凄いですね。去年のフライング・ロータスといいこんな才能を次々と発見してくるんですから。
にしても最高です、このレコード。
ブレイク・ビーツ、エレクトロニカ、ヒップホップ等々縦横無尽にジャンルの壁を超えるフリーキーさ。
しかもユーモアのスパイスも効いてます。
間違いなく今後のwarpを引張っていく存在になるでしょう。日本の若者もこれぐらい自由にやりゃいいのに!と思わず感じてしまう嫉妬アルバム。
The xx / xx
次はイギリスから現れたティーンネージ・バンド、エックスエックスのデビュー作を。
最初に聴いた時の印象は
「君たち大丈夫か?まだ十代なのにこんなにダークで不穏な音楽やって。」
という感じでしょうか。もう感情ってものが無いくらいの静かなヴォーカル、美し過ぎるギターのアルペジオ、センスの固まりのような完璧すぎるベースライン。
もうおじさん夢中ですよ…
そりゃイギリスの若者が興奮するのも分かります。
これにグッとこない若者はGreeeenとかフランプールでも喰ってろ。おじさんにはマズ過ぎて喰えないけどね。
Basement Jaxx / Scars
次はおなじみベースメント・ジャックスの新譜を。
正直期待以上のものではなかったですしアルバムとしても詰め込み過ぎた印象は拭えないのですがもう先行シングルの「Raindrops」が収録されてるだけで買う価値あるでしょう。
ホントこの曲最高。何度聴いてもドキドキします。
今年を代表するアンセムの一つでしょう。
あっ、アルバムのどこかでオノ・ヨーコ大先生の喘ぎ声も聞けちゃいますよ~。
Phoenix / Wolfgang Amadeus Phoenix
続いてはフランスのポップバンド、フェニックスの新作を。
彼らの今までの作品はどれも素晴しいのですが個人的には今作が一番好みです。
いやー、ロマンティックなロックンロール、しかも軽快なディスコソングもあるときたら恋しないわけないでしょう。
エレクトロニクスを絶妙に配したアレンジのサジ加減も完璧です。
こりゃメンバーモテるんだろうなーとの想像までしてしまう、色気たっぷりのポップレコードです。
今年の抱かれたい音楽第一位。
Jack Penate / Everything Is New
次はイギリスのシンガーソングライター、ジャック・ペニャーテのセカンドアルバムを。
これはアルバムタイトルが彼のマニフェストなのでしょう。前作のギターポップ路線から一転ダンス・オリエンテッドな作風で勝負してきたまさに「Everything Is New」な作品です。
でもそこは天才英国紳士ペニャーテ。日本のうすっぺらいバンドみたいに四つ打ち入れたらダンサブルでしょ?みたいな安易で軽薄な方向転換ではモチロンないですよ。
もうなんなんすかね。
アクアタイムズとかいう日本の包茎バンド。ダセーから止めてくれよ、その四つ打ちサウンド。
ほんとセンスねーから。お前らからミクスチャーみたいな言葉聞きたくないから。
フレンドリー・ファイアーズのデビュー盤送ってやるからとっとと引退してくれよ。
と、脱線してしまいましたが本題に戻りましょう。
先行シングルのラテンハウスにも驚きましたがアルバム通して新機軸満載です。
アフリカン・ビートありソウルフルなバラッドあり。
このチャレンジだけでも称賛に値するでしょう。次作でもどんな手に出るか今から楽しみです。
Grizzly Bear / Veckatimest
最後はUSインディの至宝、グリズリー・ベアの新作を。
もしかしたら上半期に出てたかもですが国内盤は最近出てるみたいなんでご了承を。
それにしても今年はこのグリズリー・ベアを含めUSインディの躍進は凄かったです。
ざっと挙げるだけでもダーティー・プロジェクターズ、アニマル・コレクティブ、ガールズ、アトラス・サウンドと名盤ばかり。
すっかり勢いを無くしたUKインディ勢を尻目に次々に新たな才能が発見されてます。
今後もしばらくはこの状況は続くでしょう。
で、このアルバムですがソングライティング、アレンジ、ヴォーカル等全てが完璧で眩暈がするほど美しいものに仕上がっています。
あまりにも隙が無いのでちょっと引いちゃうくらいですけど。
でも一年に一枚くらい襟を正して聴くこんなレコードがあってもいいと思いますね。
今年もなんだかんだと100枚以上CD買っちゃったワタクシですが一年間聴き続けたものは少なかった気がします。
やっぱUSモノ中心でしたかね。とにかく興奮するレコードが多かったです。
では近々邦楽編書きます。でも日本のアーティストのCDあんまり買ってない気が…
今年の後半はBombay Bicycle Clubを前半はPassion Pitをよく聞いていたような気がするかなぁ・・・Grizzly Bearも良いよ。