うちのオカン


うちのオカンはペース配分が苦手です。

一番口論になるのは、冷蔵庫の貯蔵品の使い方。

先日の夕食、かなり腹を空かして帰宅したところ、何とも香ばしい香りを放ち食卓に鎮座する大量の鶏の唐揚げ2種 。
それは二人家族にはあまりに多すぎる量でした。

こういうのを「謝肉祭」と言うんでしょうか。

あまりの量の多さに
「兄ちゃん達の来らすと?」

母「いや…」

まあ、空腹もちょうどピークを迎え、ブラックペッパーというスパンコールを纏った羽の先に少年のようにかぶりつく私。

ここで安心できないのが我が家。

「明日の弁当は大丈夫か」という一抹の不安がよぎる。

うまかれど、弁当に投入されるだけの手羽を残し、そっと合掌をする私。


翌日の正午。
手羽という保険からか、なんら不安を感じず弁当の包みを開く。

そこには
昨日の黄金の手羽×3
シャウエッセン×3
串カツ×2

所狭しと二つ折りにされた鮭×1

役不足のブロッコリー×1枝がギチギチに詰められていた…。

ブロッコリー以外は全員FWといった面子だろうか。

しかも謎の銀紙を開けると「しそ昆布」…

控えもスターだぜ。


なんてこった。

バランスが悪すぎる。

このメンバーに対しては通常の二倍は白米を欲しいところだ。

串カツは明日でよくね?

しかし食わねば。

居並ぶ一軍選手を相手に白米をつまみ、合間を見て控えも出す。

手羽が言う。
「監督、僕はまだやれます!」

かき込む。
喉が渇く。

察しの通りご飯が先に底をつく。

ご飯のないシャウエッセンがこんなにも塩辛いものか。

私は骨と銀紙のみになった弁当箱をバッグにしまい、「お〜い、お茶」と心で叫び、自販機へと走った。


ペース配分の悪さはここからが真骨頂なのだ。
このようにオカズが肉祭の時は要注意である。

翌日からはだいたい二軍のオンパレードが2日は続くのだ。

我が家ではこれを「中2日」と呼ぶ。

中2日である本日のメンバーは

ちくわ
丸天
エリンギ

そしてオカズエリアの半分をリンゴが埋めつくしていた。


串カツよ、お前の出るべく試合は今日だ!

しそ昆布よ、今日ならお前はスタメンだ!


察しの通り、ご飯が余る。

SNSでもご購読できます。

コメントを残す