ブルガリア発有田経由ラトビア行きのAritaホモニミーポストカードとでも呼ぶべきかたった70円の郵送物の話。
こんばんは。Marです。
以前も紹介したCouchSurfing(以下、CS)という旅人向けの相互扶助サービスですが、先月そのCS経由で東欧ブルガリアから、とあるメッセージが私のところに届きました。
内容は簡潔にまとめると(ほぼ直訳ですが)、
——
こんにちは。今回はあなたの家に泊めてほしいというお願いではありません。
私はいまラトビアにいるガールフレンドと付き合っています。その彼女の名前は「Arita」といいます。
今日その彼女が、あなたの住んでいる町にいつか行ってみたいと心から思っている、と私に言いました。なぜなら彼女の名前と同じ名前の町だからです。
そこで私はその町のポストカードを彼女に送って喜ばせるというサプライズをしたいと思っています。
それであなたにお願いがあるのですが、いくつかあなたの町のポストカードを私に送っていただくことはできませんか?
もし送っていただければ、私はそれに彼女へのメッセージを書いて贈ることができます。
——
というものでした。
私はCS上で「有田」在住として登録している(英語なのでもちろん「Arita」で登録している)のですが、同じCSユーザーであるブルガリア人の彼は、そのAritaという土地にCSユーザーがいないか探したところ私がたまたまいたというわけでしょう。
私もサプライズは結構好きなほうなので「もちろんいいよ」と即答しました。
ただ、有田のポストカードが存在しているのか、またあったとしてどこに売ってあるのかわからなかったので、Twitterで聞いてみたところお二人の方に回答をいただき早速手に入れることができました。
しかし単純に有田のポストカードを送るより、もう一ひねりしたほうがいいような気がしたのでブルガリアの彼に次のように提案してみました。
「もしあなたがよければ、彼女へのメッセージを私宛に送ってくれたらそれを私が代筆して、そして有田の郵便局から有田でしか手に入らない切手を貼ってラトビアに直接送ってもいいですよ。」
と。
すると彼は、
「それはとても素晴らしいアイデアだと思います!でもあなたが代筆するとなると少し変な感じがするので、私がメールに書いたメッセージをプリントアウトしてポストカードに貼りつけてもらえますか?」
という返答だったので、
「たしかに私の手書きになると何か変なので、それでは、あなたが時間があれば自分で手書きでメッセージを書いてそれを写真に撮って送ってください。そしたらそれをプリントアウトして貼り付けます。もし時間がなければそのままメールのテキストメッセージをプリントアウトして貼って送りますから」
と回答し、同時に私は手に入れたいくつかの有田ポストカードの写真を彼にメールで送りました。
アルファベットで「Arita」と入っているほうがいいだろうというアドバイスと、ポストカードに写った有田の風景の説明とともに。
すると彼は「Arita」と一番大きくアルファベットで書かれたポストカードのものがいいという回答と共に彼女への手書きのメッセージの写真を送ってきました。
(実は彼はメールのやり取りからしてそこまで英語が得意ではないような感じだったので、自分で手書きメッセージを書くのならキリル文字かなんかで書いてくるのかなと思ったのですが手書きのメッセージも英語でした。。これは未だになぜなのか謎です。ラトビアの人もキリル文字を読める気がするのですが。)
送るのは時間のあるときでいつでも構わないので送ったらいつ頃着くかわかれば教えて欲しいということでした。どうやら着く頃にブルガリアからラトビアに飛んでいくつもりのようで、彼女の驚く姿を見てみたいということでした。
有田特有の切手は有田陶器市に発売予定で、前年のはもう売り切れており、軽く探しても手に入らなさそうでした。
なので、有田の郵便局で「Arita」と印字された普通のポステージスタンプを貼ることにしました。
ちょうど有田郵便局の前を通ることがあったとき、立ち寄って「Arita」のスタンプを貼ることができました。
こんな感じ。(一応手紙なのでモザイクかけておきます)
ついでに手持ちのiPhoneで有田郵便局の外観も写して(Aritaとアルファベットで書いてあったので)、後でポストカードの写真と一緒に投函完了のメールを彼に送りました。
そして待つこと2週間ほど。先週、ようやく彼からメールが来ました。
内容を簡潔に直訳すると、
——
有田からのポストカード、到着しました!本当にありがとう。しかもちょうど私もその時その場にいることができました。
私は昨日ラトビアからブルガリアに戻ったのですが、どんなに彼女が驚いて喜んだかをあなたに知らせたかった。
有田固有のスタンプが貼ってあったことは特に彼女を驚かせたと思う。
最初彼女はどこからそれが届いたのか全く理解していませんでした。彼女のお母さんも一緒にいましたが、彼女のお母さんも全然わかっていませんでした。
でも私が彼女に事情を説明したら、彼女は本当にびっくりして興奮していました。私が最初に思っていた以上にうまくいった。もう一度ありがとう。
——
というものでした。サプライズが成功しとても喜んでもらえたようでよかったです。
彼は、少なくともポストカード代と送料は支払いたいと申し出てきましたがもちろんそれは断りました。ポストカードは今回使わなかったものはまた別の時に使えるしラトビアまでのポストカードの送料はたった70円でしたので実質100円ちょっとくらいしかかかっていませんからね。
その代わりに「もし私がブルガリアに行くことがあったら、その時はビールとヨーグルトをごちそうしてください」と言ったら彼は快諾してくれました。こういうのは嬉しいですね。
ちなみにこれは後でロシアに詳しい人に聞いたのですが、Aritaさんという名前はラトビアではそれほど珍しくはない名前だそうです。
彼はメールの最後に今回の日本での地震と津波のことについても言及してくれていました。この部分だけ原文のまま掲載させていただきます。
And just hope that everything is good there at least with you and your family and friends after this tragedy that happened to Japan.
Whole europe is looking all the time about news, in every country, often there is separated section in newspapers only for Japan..
I really believe that nothing worse will hapen, but hope that your relatives are ok after this!
Good luck for now :)
それではおやすみなさい。
—
引き続きこちらも被災者のための選択肢の一つとしてよろしくお願いします。
Justgiving
主旨はこちら → 日本語 , in English —-
世界のArita
ですね。
次は、その彼女が、有田に来るといいですよね。マスコミに取材してもらいましょう。
何がすごいかて、
あるていど言葉わからんとこんだけコミュニケーションとれんやん!
いやー、ごいすーーー!!
サプライズプランナー(自称)としては堪りません。
九陶にあった?
どんなの置いてあるか今後の参考の為に・・・。
ありがとう。お金も手間もほとんどかからずメッセージをちょっとやりとりしただけでこのサプライズ。喜んでもらえたら嬉しいですね。
# たがたさん
はい。いつか二人できてくれたらほんと嬉しいなと思ってます。そのときマスコミ取材とかおもしろいですね。
# shinji
実は本文には書いてないやり取りの中で、うちのブログで前にshinちゃんが有田の風景を写真で撮ってアップしてたエントリーがあったと思うけどそのリンクを書いて、「これが有田の町並みです」と送ったんよ。それ見て彼はいつかぜひ行きたいと言ってました。
# taQma
おまえさんの花火サプライズと比べたら、まだまだ足元にもおよびません。^^
# キャップ
ポストカード情報ありがとね!おかげでこういうサプライズができました。ポストカードは結局彼の意向で商工会議所で買った分が採用されました。あとはこれは未確認やけど、歴史民俗資料館にもあるらしいという情報を得てますよ。