KYON2×2
とはいっても何もすることが無いんでDVDをダラダラ観たりして過ごしております。
今回は映画マニアのRyuからワタクシが幼少時代から大ファンであるKYON2こと小泉今日子の主演映画のDVDを借りたのでレビューしたいと思います。
それにしても良い女優になりましたねKYON2。
小2から彼女の活動を追い続けているハードコアファンのワタクシからみても以前はお世辞にも演技が上手いとは言えなかったのですが近年は各界からその演技を高く評価されています。
昨年は歴史あるキネマ旬報の主演女優賞をはじめ数々の映画賞を総なめにしましたし、昔からのファンとしては嬉しいかぎりです。
彼女の演技が一皮剥けたきっかけとなったのは故・相米慎二監督の遺作「風花」だと思うのですが、その後も豊田利晃監督の「空中庭園」や三木聡監督の「転々」など話題作に出演し独特の存在感を放っています。
では今回は去年公開された2本を紹介しますね。
1本目は犬童一心監督の「グーグーだって猫である」を。
あらすじ:<吉祥寺に住む、天才漫画家の小島麻子。今日も、アシスタントのナオミ、仲のいい三人組の加奈子、咲江、美智子と徹夜で締め切りに追われていた。その翌日、いつものように麻子が愛猫のサバに話しかけると、サバは冷たく動かなくなっていた―。サバを亡くした悲しみがあまりに大きく、麻子は漫画が描けなくなってしまう。そんなとき、出会ったのは一匹の小さなアメリカンショートヘアー。名前は「グーグー」。一緒にご飯を食べて、散歩をして、寝るという、なんとも幸せな毎日。不思議な青年、青自との恋の予感、アシスタントたちと話す新作のアイディア、色々なことがうまく動き始める。だがある日突然、麻子は思いがけないことを知らされる・・・。>
犬童一心監督の作品は正直当たりはずれがあるのですが(ジョゼと虎と魚たちとかは面白いがタッチは酷い)なかなか面白い映画でした。
内向的で穏やかな天才漫画家の役ということでかなりKYON2のパブリックイメージとはかけ離れていますが違和感なく演じきってますよ。
特に後半部分の演技は素晴しいです。今まで男性との接触がほとんど無かった主人公が加瀬 亮演じる青年に出会って心を開いていくのですが徐々に女性らしさを醸し出す様を自然に演じてます。
アシスタント役の上野樹里も良いですね。ちょっとぶっ壊れた女の子を嫌み無く演じてて好感持てます。
基本的に穏やかでゆったりとした映画なのでちょっと一息つきたい時に観るのにオススメです。
点数は70点。ちなみにKYON2指数は85%です。
ほとんどのシーンにKYON2出てるのでファンにはたまらない映画ですよ。
次は黒沢清監督のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門・審査員賞受賞作「トウキョウソナタ」を。
あらすじ:
<ボクんち、不協和音。
お父さんも、お母さんも、お兄ちゃんも、そしてボクも――みんなナイショの秘密をもっている。
舞台はトウキョウ。線路沿いの小さなマイホームで暮らす四人家族のものがたり。
リストラされたことを家族に言えないお父さん。ドーナツを作っても食べてもらえないお母さん。
アメリカ軍に入隊するお兄ちゃん。こっそりピアノを習っている小学六年生のボク。
何もおかしいものなんてなかったはずなのに、気づいたら家族みんながバラバラになっていた。
いったい、ボクの家で何が起こっているのだろう?>
これは素晴しい映画ですよ。
黒沢清監督は前から好きなタイプの監督でしたが今作は彼のキャリアの中でも一、ニを争う傑作ではないでしょうか。
脚本は魅力的だし、何よりKYON2も含め各俳優陣の演技が素晴らしいですね。
今や日本を代表する俳優になった香川照之はもちろんですが、前半部分のキーパーソンである津田寛治の演技には賛辞を送らずにはいられません。
どこにでもありそうな家族の崩壊と再生をリアルに、しかもどこまでも現代的な視点で描いた黒沢清監督の手腕は見事です。
特にラストシーンの子役の演技には必ず引き込まれるはずです。
安っぽい言い方ですが感動してしまいました。
昨今はテレビ局の資本による映画とも呼べないメロドラマ・ムービーが幅を利かせている日本映画界ですが、こういう骨太な本物の映画がもっと評価されることを切に願います。
夜中に一人でじっくり観るには最適な映画ではないでしょうか。
点数は85点。KYON2指数は50点ですね。
ワタクシはやっぱり男目線で観たのでKYON2より夫役の香川照之や息子役の子役に感情移入したのでKYON2指数はちょっと低めです。
でも名作ですよ。是非ご覧になって下さい。
追伸、まだしばらくお盆休みなのでだれか遊んでください!